HIRO T'S DIARY

● 10月後半の日記 ●

10月16日(水曜日)

5枚目のアルバム「鴨川」を8月末にリリースした馬場俊英くんが約1年ぶりに帰ってきてくれた。番組でもアルバムから「ボーイズ・オン・ザ・ラン」をよくかけているからご存じの人も多いだろう。とにかく新しい作品ごとにますます琴線に触れる味を増している。大型CDショップで手に入る。ぜひアルバムごと吟味してもらいたいのである。丁寧に作り上げ歌い上げている作品のひとつひとつがしみることであろう。11月19日にはKNAVEでもライブが予定されている。いかがですか?

別れ際の記念撮影では凝りもせずに彼にも「裏ピース」を強要してしまった。今時の若い女の子のブームなのだと言うボクの言葉に「ほんとっすかぁ?」という半信半疑の馬場くんに好感を持った。またぼちぼちのペースでボクの番組にやってきてくれることであろう。

10月18日(金曜日)

今日から3日間はミナミ・ホイール。今年も颯爽と愛チャリにまたがって南に見参!やっぱ、チャリの移動は便利なのである。

あっちこっちでたくさんのリスナーの人たちにも出会うが、同時にDJにもバッタリと出くわす。クラブ・クワトロではちわきまゆみ様に出会ったり、中島ヒロトにも出くわした。我々DJは出会ったときには大仰にビックリしあうのが常である。そんな日常を切り取ってみた。じっくり考えれば変な日常である。

ライブは若い情熱がどのステージにも溢れていた。

ライブを終えて会場から出てきたらなんと駐禁にひっかかってしまった。ビックリしてパニックになった。でもよくよく考えたらそんなバカな事はないので笑った。

会場と会場の間に昔からよく行くFat Tuesday'sがある。のどが渇いたのでちょろっと寄ってハイネケンを1本飲んで金を払わずに次の会場に向かった。それぐらい仲良しなのだ。

Funky Jamsのミョンとも出会った。ピーヒャラピーヒャラうるさいので遂に頭をはたいてしまった。フェミニストのボクとしてはめずらしいことである。

クアトロでクール・ドライブ・メーカーズを見ながら夜は更けていった。ビールを飲みながら楽しむ音はまた格別であった。やっぱ、ミナミ・ホイールはおもしろい。会場から会場へわさわさと動き回る慌ただしさがイラチなボクにピッタリなのであろう。ちょっとからだはえらいけどね・・・

でもやっぱり明日はもっとたくさんのアーティストの音に出会うことになろう。

10月20日(日曜日)
読了した雪隠本のひとつである。Arthur Goldenの"Memoirs of a Geisha"という小説である。500ページもある。原書でたっぷりの分量を読破したのはもう20年以上前に"Shougun"を読んで以来。(実はハリー・ポッター賢者の石も読んでいたのだが、途中で映画を見てしまい投げ出してしまった。)学生時代にはサマセット・モームの短編すら読み切ることが出来なかった俺だが"shougun"とこの本に関しては外国の著者がどれぐらいのリサーチをして日本文化を書いているのかに興味があったから読めたのだと思う。この本も非常に興味深かった。田中千代が新田さゆりという芸妓になっていく人生が綴られている。4月13日の日記にある京都のAbusanという飲み屋さんで知り合ったポールという男に教えられて読み始めた。6ヶ月もかかったのはその殆どを雪隠タイムに読んでいたから。雪隠には刺激がいつもある。
10月21日(月曜日)

4日前にニューシングルBlue BackをリリースしたGrapevineから田中くんと亀井くんが来てくれた。約9ヶ月のご無沙汰であった。今回も激しくバインの世界を聞かせてくれている。いろんなトークをしつつ出番を終えた。

結構最近マージャンにはまっているという2人と軽くシャドー・マージャンなどをしてみた。ボクぐらいの手練れになると例えシャドーであっても大体の力量は分かるもの。んま、2人には悪いがボクの敵ではないと見た。(こう書いておくと、燃えた2人が挑戦状を叩きつけに来ないかという希望的観測もあるのだが・・・)しかし牌もないのになんとなく様になっているのはやっぱ卓を囲んでいる面々がマージャン好きであるという証左であろう。(左:田中、顔:亀井、背中:ごまめ)

10月22日(火曜日)

Gatsくんが来てくれた。明日1stアルバム"I am Gats"をリリースする彼とも、もう1年ぐらいのつき合いになる。番組のゲストとしてはまだ2度目だがボクにとっては非常に楽しい弟のような感じである。今日はギターも携えてきてくれてスタジオでアルバムにも入っているBaby, I love youという曲をしてくれた。聴かせる男である。彼のアルバムは超おすすめなので買いなさい。損はさせません。

さすがのボクも彼の横に立つとちっこく見えるので、おっきいヒロさんをやってみた。そしたらちっこいGatsくんをしてくれた。いいヤツである。

10月24日(木曜日)
すげぇよ、この人。MIMIって人。存在そのものがソウルなのよ。音楽が大好きで今はアメリカ住まい。昨日彼女のソロの3枚目のアルバム "Elements" がリリースされたばかり。彼女自身の大好きな曲たちがたっぷりと詰まっているのだ。カバーなんだけど、どれを取ってもMIMIの曲になっちまっている。そんなとこがやっぱすごい。70年代初頭から赤坂MUGENでダンサーしていたこともありそのあたりから計算したらもう30年近くも音楽しているとこがすごい。ほんでアフロもとってもすごい。ほんでほんでそんなにキャリアがあるのに普通に向かい合える雰囲気を醸し出しているところがもっとすごい。とにかくこの最新アルバムはあなたのフェイバリットになるはず。ぜひライブラリーに加えられることを。
10月27日(日曜日)

今年もアメフトシーズンまっ盛り。そして今年も毎日放送で隔週深夜「フラッシュ・ボウルシリーズ・ハイライト」の進行をさせてもらっている。これがいつものラジオの日常と違いなかなかたのしいものなのだ。もう折り返し点を過ぎたが収録の夜をレポートしてみよう。

茶屋町MBSの地下駐車場は人がいない。ひとりさびしくB2駐車場からエレベーターへ。ここにも人がいない。さびしいのでスポーツ局に着くまで写真を押さえてみた。そして11階に到着するや否や、とりあえず弁当をいただく。このあたりから元気になってくるのだ。この夜はウナギに卵焼きに肉炒めにフライのメニューでなおさらご機嫌であった。

おなかがいっぱいになったら一応メイクをしてもらうのである。誤解のないように言っておくがこれはあくまでライトの照かり止めなのである。(この間ちょっと眠たくなる。)スタジオに入って事前声録りの部分をMBSニュースでおなじみのアナウンサー席に座って仕上げる。ほんですぐに本番収録が開始される。いつもながらに思うのはテレビってほんとたくさんのスタッフの作業の積み重ねだなってこと。みんなそれぞれにきびきびと、でもたのしく仕事を進行していく。編集されたビデオが流れているときもやはり真剣にゲームの成り行きを見つめてしまう。秒との戦いが積み重ねられてゆく。

でも息詰まる収録の間にもなごみは忘れない。カメラさんが持ち場を離れた瞬間にカメラさんのマネをしてみる。(ムンクの叫びに見えるかもしれないが気にしないでおいてもらいたい。)またモニターに映る自分自身もカメラに収めてみた。(横でニコッと微笑んでいるのはいつも明るく快活なフロアをやってくれている「花子」ちゃんである。)

と、突然スタジオを報道さんに明け渡さなければならなくなった。今日行われた衆・参同時補欠選挙の結果の速報を生でオンエアするためである。約20分の待ち時間をサブと呼ばれる副調整室で待つ。それこそ1秒1秒と闘うクルーの作業をぼう然と眺める。この足止めの後スタジオに戻るとまだ速報のテロップが画面に出たままになっていたので、すかさず解説者をしてみた。案外ボクはキャスターに向いているのかもしれない。

収録再開までの時間をスタジオで花子と雑談をしながら過ごす。ちょっとでもボクが手持ちぶさたになってしまうのを気遣ってなんやかんやと相手をしてくれる。本当に細やかな気配りが必要な世界なんだなあって改めて思った。

そして夜は深々と更けていく。

前日関学は近大に18年ぶりの敗北を喫した。これにも唖然としたが勝負に臨む「気」ははるかに近大の方が勝っていた。「よくやった!」の言葉を近大デビルスに贈りたい。そして関学には褌を締め直して直接対決に臨んでもらいたい。

10月30日(水曜日)

11月13日にニューシングル"ChooChooTrain"をリリースするVlidge兄さん達が約1年ぶりに帰って来てくれた。今回のシングルはカバーだがいろんな工夫をこらしたダンスチューンになっていてKichiもKyuもスカ〜ンって気持ちよくつくれたそうな。ぜひ応援をよろしく。

たのしいインタビューも終わって「誰が一番DJっぽいか合戦」をしてみた。一目瞭然であるが、やっぱ俺の圧倒的勝利に終わった。(ただ見方を変えると、ボクが一番ゲストっぽくないと言えなくもないのだな、これが。)

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